一歩、また一歩
社会福祉学科 野田陽子
年度末が近づき、皆さん、あともう一息と思っていらっしゃることと思います。
4年生で社会福祉士、精神保健福祉士の国家試験を受験する方は、お正月気分をゆっくり味わう間もなく、受験勉強に追い込みをかけている頃でしょうか。
体調管理に気をつけ、万全の態勢で臨まれることを願っています。
先輩たちの姿を見て、1~3年生の方は、それぞれにまだまだ先のハナシと思っているかもしれませんね。
とくに1年生にはそういう方が多いのではないでしょうか。が、あまり悠長に構えていると、気がつけば受験日目前、なんてことになりかねません。
そうはなりたくないですよね。
私は、国家試験科目の1つである「社会理論と社会システム」の本学相当科目「社会学概論」を担当しています。
1年生が多く履修する科目ですが、履修生の中には、「悠長に構えているわけではないけれど、国試に向けてどう勉強に取り組んだらいいかわからない」という不安を抱いている方が少なからずいるようです。
受験科目数の多さと、科目ごとに学ばなければならない事柄の多さ、さらには初めて聞く言葉の多さに圧倒されて、不安が募るのも無理からぬことと思います。
とくに1年生は、「全部覚えるなんてとても無理」と途方に暮れてしまうこともあるのではないでしょうか。
確かに、受験勉強では覚えなければならないことはたくさんあります。
しかし、何でもかんでも、いわゆる「丸暗記」をすればいいというものでもありません。
「社会学概論」で事後学習として課している復習問題の答え合わせをしていて気づいたことは、テキストの説明と少しでも異なっていると間違いと思ってしまうことがあるということです。
事柄の説明は幾通りもあります。
研究者の数だけあるといってもいいかもしれません。
とするなら、誰か1人の説明を唯一の「正解」として丸暗記しても、いい結果にはつながらない可能性が高いということですよね。
では、どうすればいいのでしょうか―。
あまりにもあたりまえすぎて、言うのも少々気が引けますが、やはり「理解する」ということが決定的に重要だと思います。
「それがそう簡単じゃないから頭が痛いんだ」という声が聞こえてきそうですが、「頭が痛くなる」のは、おそらく、初めて聞く言葉でもその説明を読んで一から十まで「わからなければならない」と思っているからではないでしょうか。
そんなに自分を追い込む必要はありません。
初めは、言葉になじむことと、一部分でもいいので「わかる」ところを見つけること、そのくらいでも十分にかまわないと思います。
同じところを2回目に勉強するときは「わかる」ところをもう少し増やし、3回目、4回目と回を重ねるごとに「わかる」ところをさらに増やしていけば???。
今度は「そんなにうまくいくか」という声が聞こえてきそうです。
しかし、考えてみてください。
皆さんの先輩諸氏も同じような不安が抱えながら勉強に取り組んできたはずです。
不安はあってあたりまえです。
でも何もしないままでいたら、不安は募るばかりです。
まずは一歩踏み出してみましょうか。
すると、自然と次の一歩が出るかもしれませんよ。