淑徳大学では、建学の精神に基づく『仏教教示』が、年3回行われます。
『降誕会(ごうたんえ)』に続く2回目の行事が、『盂蘭盆会(うらぼんえ)』です。
通常、私たちが『お盆』と呼んでいるのは、『盂蘭盆会』のことです。盂蘭盆はサンスクリット語の「ウランバナ」の音写語で、『逆さまに吊るされた苦しみ』という意味です。
『盂蘭盆会』の由来を見てみましょう。
釈尊の弟子目蓮が仏教修行のあかつきに、神通力を以って亡くなった母の姿をさがし求めると、母は地獄の一つ上の世界である『餓鬼道』に堕ちて逆さまに吊るされて苦しんでいる姿が見えました。目蓮はあまりの痛ましさに耐えかねて、釈尊に母を救う方法を尋ねました。釈尊は90日間の雨季の修行を終えた多くの僧を7月15日に招き、7世代さかのぼる先祖を祀り、法要を営み、百味の飲食(おんじき)を盆に盛り、衆僧に施して供養すれば、母の苦しみは取り除かれるであろうと教えられました。
目連はその教えに従い、厳かな法要を行ったところ、その功徳によって、母は安楽な世界に生まれ変わることができたそうです。
7月1日に行われた「盂蘭盆会?学祖墓前祭」では、看護学研究科の丹野さんが、看護学研究科の学生代表として盂蘭盆会に参加されました。
丹野さんに盂蘭盆会に参加されたときのことを質問形式で伺いました。
Q:盂蘭盆会参加されたのは初めてですか?
A:初めてです。
Q:盂蘭盆会の由来は知っていましたか?
A:知りませんでした。
Q:どのような思いをもって参加されましたか?
A:代表としての勤めを果たそうと思って参加しました。
Q:盂蘭盆会に参加した感想をお願いします。
A:緑豊かで静かな大巌寺で手を合わせることで、心が穏やかになりました。また、蘭盆会の由来を知り、改めて多くの人々に支えられて、今私たちがここで生かされているということを実感しました。
丹野さんの言葉から、盂蘭盆会は先祖の思いを寄せながら、自分自身がこの世に生かされていることを実感する、貴重な機会になっていたことがとても伝わってきました。
盂蘭盆会を通して、日頃は忙しさの中に埋もれがちな、ご先祖様に思いを寄せることや、自分を支えてくれる周囲の方々への感謝の気持ちに気づき、それらを心から感じることは、自身が心豊かな時間を過ごす中で、新たな気持ちで次なる一歩を踏み出そうとする気持ちを持つことにつながることに気づかされました。