こんにちは。歴史学科で歴史調査法の授業を担当している
この歴史調査法という科目は、文字通り歴史を調査する方法、もっと具体的に言えば、
昔の人が書き残したもので、過去の歴史を知る手がかりとなる史料の集め方、
参考文献の収集方法など研究のイロハを教える科目です。
教室で講義を聞くだけでは、実感がわかないこともあります。
そこで、課外授業では、人文学部のある板橋区の歴史に関する史料を
たくさん持っている板橋区公文書館へ行ってきました。
板橋区公文書館には、板橋区役所に関わる公文書や
板橋区史を編纂した時に集めた史料、写真や地図などが保管されており、
まさに板橋区の歴史の宝庫です。
民俗学や宗教史の大家、櫻井徳太郎先生の持っていた本も
一括して保管されています。
学生諸君は、最初に公文書館の概要について説明を受けた後、
閲覧室の利用の仕方から始まって、書庫に保管されている図書や地図、
写真帳などを見せてもらいました。
そして、大変ありがたいことに江戸時代の古文書そのものが、
学生諸君の目の前に広げられ、文字の解読だけではなく、
古文書の紙の材質まで専門員の皆さんに教えていただきました。
ナマの史料を前に、学生諸君は皆、眼を輝かせて見入っていました。
その姿を見て、連れてきて良かったと心から思いました。
本学の歴史学科は、まだ出来たばかりですが、所在地の板橋区は歴史の宝庫で、
公文書館の他にも郷土資料館や美術館があります。
こちらも実はすごく充実した内容なのです。歴史系の博物館と言えば、国立歴史民俗博物館や
江戸東京博物館、東京国立博物館が有名ですが、
地域の公文書館や博物館にも地域の歴史をさぐるネタがいっぱい眠っています。
しかもその多くはあまり知られておらず、そこにスポットをあてることで、
通説を覆すような新たな歴史的事実が浮かび上がるかも知れません。
これからも授業では積極的に学生諸君を歴史のフィールドに連れ出します。